飛行船にヘリウムガス室だけでなく空気室も設けているのは、
気温、気圧の変化でヘリウムの体積が変化しても内圧を一定に保つためです。
例えばヘリウムガスだけを満たして上昇すると、ガスが膨張して内圧が異常に上がり危険です。
これでは高度を上げることができません。
それではと、膨張を見越してヘリウムガスを減らすと、現代の軟式/半硬式飛行船では形状を維持することができません。
気温、気圧の変化という外的要因で結果的に内圧が変化するから空気の出し入れを行うのであって、
これは
>>15さんの言うように操縦のために使用する類のものではありません。
魚の浮き袋、潜水艦の浮力調節に用いるのは、飛行船で言うところのヘリウムガスに相当するので、
飛行船が飛行中にヘリウムガスの出し入れで浮力調整をするならともかく、
この例をこの流れで持ってくるのはいささか的外れですよ。
ヘリウムガスはべらぼうに高いので、降下のために排出したりすることは基本的にありません。
それで離陸時には、燃料を使い果たしても空気より重い状態に重量を調整しておきます。
上昇、巡航、下降のしかたはすべて飛行機と同様。
空気より重いので、エンジン全開で滑走し、機首を上げて船体に揚力を発生させて離陸します。
巡航中も機首上げで常に揚力を発生させていないと降下してしまうため、一点に静止することはできません。
(ツェッペリンNTは大出力エンジンのおかげで滑走なしで離陸、静止も可能ですが)
船体に揚力を発生させるためにも、内圧を常に一定に保ち、形状を維持することは重要です。
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