二重反転プロペラ
▼ページ最下部
001 2014/05/16(金) 19:44:15 ID:u2nZrHmJpY
二重反転プロペラとは、2組のプロペラ(スクリュー)を同軸に配置し、各組を相互に逆方向に回転させるもの。
機体や船体にかかるカウンタートルクを相殺したり、プロペラ効率向上を意図して採用される推進機構である。
英名を略してコントラペラとも呼ばれ、飛行機に採用されているケースが有名であるが、
船舶や魚雷などのスクリューに採用されたケースのほうが多い。
1930年代にはレース用に製作されたマッキ M.C.72などの水上機に搭載されて最高速度向上に威力を発揮し、
第二次世界大戦中には、特にアメリカ軍とイギリス軍において、2重反転プロペラを採用する試作機が多数製造された。
日本では陸軍がキ64と二式単座戦闘機(鍾馗)において、海軍でも川西航空機製の紫雲と強風で採用されたが、
キ64以外の制式採用された3機種についても、日本の基礎工業力の未発達から要求される工作精度が維持できず、
ギアボックスの油漏れなどの問題を解決できなかったため、いずれも初期試作レベルに留まった。
この方式にはプロペラ後流の偏向を正逆回転の組み合わせで相殺できるため、垂直尾翼の小型化が可能で、
空気抵抗の減少やプロペラ効率の向上などが得られるというメリットがある。
https://www.youtube.com/watch?v=ou87i6Oq5M0
返信する
002 2014/05/16(金) 19:48:00 ID:EHb2Lzpn2k
003 2014/05/16(金) 19:58:03 ID:phjOF/P0eI
004 2014/05/16(金) 20:05:58 ID:EHb2Lzpn2k
005 2014/05/16(金) 21:39:19 ID:EHb2Lzpn2k
>>1のロシア空軍のTu-95MSの最大速度:925km/h
海上自衛隊 P1哨戒機 (4発ジェット機) :最大速度 996km/h、巡航速度 833km/h
航空自衛隊 C1中型戦術輸送機 (双発ジェット機) :巡航速度 650km/h
航空自衛隊 XC2大型次期輸送機(双発ジェット機) :巡航速度 890km/h
海上自衛隊 P3C哨戒機 (4発ターボプロップ機):最大速度 761km/h、巡航速度 607km/h
航空自衛隊 C130H大型輸送機(4発ターボプロップ機):最大速度 620km/h、巡航速度 550km/h
米空軍 C130J大型輸送機(4発ターボプロップ機):最大速度 671km/h、巡航速度 643km/h
返信する
006 2014/05/16(金) 21:48:16 ID:DpgP99EWn.
[YouTubeで再生]
![](//bbs48.meiwasuisan.com/airplane/img2/14002370700006.jpg)
トルク反力が無い利点を最大限活かしたのがヘリコプター分野じゃないかな? 特にロシアの
カモフ設計局は二重反転ローターのヘリにこだわった。 ギヤボックスが複雑になる欠点が
あるが、テイルローターが不要になり、機体をコンパクトにできる利点がある。
一方アメリカのシコルスキー社は二重反転ローターのヘリコプターは高速飛行が可能である
点に着目し、プッシャープロペラを装備したX2という実証機を作った。 これが今後実用化
されるのか注目される。
返信する
007 2014/05/16(金) 22:37:33 ID:uKFqFHmIWY
008 2014/05/16(金) 23:10:23 ID:G8kIXLcP3U
009 2014/05/17(土) 00:00:33 ID:RVuH8jdD5w
単発機だと垂直尾翼のオフセットが無くなるよね。
返信する
010 2014/05/17(土) 10:09:56 ID:AOGt7AxAms
>>6 シムの話だが、反トルクがあるかないかで操縦のしやすさは雲泥の差だね。
返信する
011 2014/05/17(土) 16:21:55 ID:yLcyZ3N71I
>>8 君の意見が本当ならジェット機は垂直尾翼いらないはずだよね??
また双発機だと同様にトルクの影響はごく少ない(左右逆転させたりもするけど)
回転トルクの影響は単発のプロペラ機だけの話だと思うけど?
返信する
012 2014/05/17(土) 16:27:53 ID:GwmU5RLFaQ
垂直尾翼の大きさは着陸速度や失速速度によって、その必要性が変わるんじゃなかった?
返信する
013 2014/05/17(土) 18:23:51 ID:D40toUxjk6
>>8 本来的に主翼や胴体というのは、単体では空力的に不安定きわまりなくて、まともに飛べるのは尾翼があってこそ。
プロペラを二重反転にしてトルクを相殺したからといって、尾翼が不要になるということは無いよ。
(例外的には、主翼の空力中心まわりのモーメントが正になる翼型を使い空力平均翼弦25%より前に機体重心を設定すれば、水平尾翼が無くても安定する)
返信する
014 2014/05/17(土) 18:54:07 ID:D40toUxjk6
>>12 着陸速度や失速速度ほどの低速でも、一定の効きを確保するために位置や舵面面積を考える必要はあるね。
一般に、尾翼の役割はトリム調整、安定性、マニューバの機能、の3つ。
そのなかで、安定性とマニューバは相反する要素で、機体の固有安定性が強すぎると、マニューバはしにくくなる。
なので、尾翼の設計は、機体の用途や目的に即して望ましい安定性と効きを目指し、
静安定や動安定が不足にならないように安定微係数を計算しながら、
尾翼容積(尾翼面積と重心位置からのモーメントアームの積)を設定していくことになるね。
その他にも、高迎角時に主翼からの吹き下ろし流に入って、有効な面積が少なくなることへの配慮も必要だし、
あとはつい忘れがちだけど、大角度での横滑り時には、垂直尾翼も失速することがある。
特に、垂直尾翼の失速はスピンに入る大きな原因なので、これを防ぐためにアスペクト比や空力効率と失速迎角度との関係を考慮する必要があるね。
返信する
015 2014/05/18(日) 04:51:28 ID:nCZuocEZdU
016 2014/05/18(日) 04:55:06 ID:nCZuocEZdU
017 2014/05/19(月) 21:29:59 ID:d8qCUnSmX2
![](//bbs48.meiwasuisan.com/airplane/img2/14002370700017.jpg)
これも二十反転プロペラといえる
ターボプロップと違うのはファンを高速回転させる為に減速ギアが無い事。
というよりターボファンエンジンのファンが外にあるようなものだから
(名前がアンダクテッドファンというだけある)
ファンの向きを逆にするだけで二重反転になる。
返信する
018 2014/05/20(火) 00:23:42 ID:UNI/Z6Ok6Q
ロシアのプロペラ機は、
アメリカのジェット旅客機並に足が速い。
少なくとも、ホンダジェットより速い事は事実。
返信する
019 2014/05/20(火) 17:24:23 ID:x1cK1lGFuY
>>18 燃費は速度の二乗に比例するのをご存知?
経済性と速度はトレードオフの関係で、民間機は経済性がよりシビアなんよ
「速いからすごい」とか単純な話じゃない
ホンダジェットは、同クラスの機体と比較して、燃費は約30%改善した一方で、速度は10-15%速い
だから、ここにビジネスジェットならまだしも、ホンダジェットを持ってくるのは、
「ボ、ボク、よくわかってませ〜ん。えへえへ。」
と言っているようなもの
返信する
020 2014/05/20(火) 17:35:05 ID:UNI/Z6Ok6Q
021 2014/05/20(火) 19:37:05 ID:nz76iAd31M
>>18,20
話をスレッドの趣旨である二重反転プロペラに限定してくれ。 たしかに
>>1のTu-95は最大速度
900km/h前後の爆撃機で、プロペラ大型機としては異例の高速機だ。 しかし同時期のアメリカの
ジェット爆撃機B-52(1000km/h程度)には劣る。 その後二重反転プロペラが普及しなかったこと
をどう説明してくれるのかな?
返信する
022 2014/05/20(火) 21:40:19 ID:t3mrC42Wqs
>>19 毎度めんどくさくて恐縮だが、一応正確に。
ジェットエンジンの場合は、燃費(燃料消費率)は、推進効率とサイクル圧力比に左右される。
サイクル圧力比は、取り入れた空気の圧縮比でエンジン固有の値。
推進効率は、推力がどれだけ前進に使われているかの割合で、ターボジェットは速度に正比例し、ターボプロップは二次曲線的に増えて700km/hあたりで頭打ちになる。
あとは、燃焼温度を高くできれば推力が上がるのでその分小さなエンジンでも良く、結果燃料消費率が改善する。
これはタービン動翼に使う材料の耐熱性が左右するね。
燃費と書いてたけど、言いたかったのは多分航続率のことだろう。
航続率は、燃料の単位重量あたりに飛べる距離のことで、機速に比例し、かつ燃料消費率とジェット推力に反比例する値。
返信する
023 2014/05/20(火) 21:43:47 ID:t3mrC42Wqs
>>21 二重反転プロペラは、以前どこかのスレッドでも書いたけど、増大するエンジン馬力の吸収のために取った多翅化の方法で、おそらくTu-95、Tu-114、Tu-126のAV-60プロペラが限界。
これは直径が5.6mもある四翅の二重反転で、先端の衝撃失速を防ぐため減速ギアで750rpmに落として回されてる。
これでも最高1万5千馬力のエンジンパワーを吸収しきれず、015のムービーでも分かる様に、過大な進行率で運転されている。
Tu-95やB-52は、当初戦略爆撃機として開発されたけど、配備から間もなく60年代に入るとレーダー網の充実やSAMの配備なんかで、爆撃は低空侵攻が常識になった。
そういう用兵の変化で、B-52はスタンドオフ化して巡航ミサイルの母艦に転身した。
低空侵攻での生残性を高めるためなるべく高速にしようと、ソビエトはTu-22の開発、アメリカはB-1の開発に繋がっていった。
年々強力になっていくエンジンパワーを吸収して爆撃機の高速化を図っていくには、推進機関としてのプロペラは原理的に限界になった。
また、さほどの速度を求められず、航続距離が大事な戦術輸送機や哨戒機なんかは、依然としてターボプロップが多いけど、ターボファンの推進効率がプロップに近づいている中、機構が複雑な二重反転プロペラをあえて採用する理由がなくなったよね。
返信する
024 2014/05/20(火) 23:12:43 ID:nz76iAd31M
>>23 すばらしい説明ありがとうございます。
二重反転プロペラという技術単体で見たらメリットが多いですが、ライバルのターボファンの
進歩や機体の用途に適合するか?という問題で使い道が限定的になったんですね。 それでも
二重反転プロペラとプロップファンと組み合わせたAn-70のような機体も実用化しているので
可能性はまだあるようですね。
返信する
025 2014/05/22(木) 19:10:37 ID:NuuorfqNs2
大パワーを吸収するには大径プロペラが必要になるのだけれど
プロペラが地面に接地してしまうからしょうがなく小径で二重反転にしてるんだよ
足を伸ばせばいいじゃんとか言うのは
脚柱は強度が必要で、ちょっと伸ばすだけでも大幅な強度アップが必要なんで現実的ではない
F4コルセアが、なぜ逆ガル翼なのかよ〜く考えよう
返信する
026 2014/05/22(木) 19:55:52 ID:uID4grG.9.
>>25 >>プロペラが地面に接地してしまうからしょうがなく小径で二重反転にしてるんだよ
それは違う。
大きなプロペラはゆっくり回しても先端が音速に近づき、効率が激減するからだよ。 Tu-95の
高度8000mにおける巡航速度750km/hでの翼端の大気速度はマッハ0.99に達する。 そのときの
プロペラの回転数は750rpmで、これは小型機の約1/3の回転数だ。 有り余るエンジンパワー
で高速を狙っても回転数を上げることもプロペラ直径を大きくすることも有効ではない。
だから二重反転プロペラなのだ。 しかし近年、プロペラブレードに後退角をつけることで
より高回転でも効率を維持できるようになった。 これが後退角プロペラで、すでにさまざま
な機体に採用されている。 Tu-95にこれを採用すればもう少し小型のプロペラになったかも
しれないが、大型の後退角プロペラは強度的に難しい。
返信する
027 2014/05/30(金) 12:03:33 ID:lzCqztApBk
二重反転プロペラを使った機体を見ていると、何かムラムラしてくる。
返信する
028 2014/05/30(金) 14:41:33 ID:h3lL0oeoLM
029 2014/07/03(木) 12:42:22 ID:fKuS/UvBGw
▲ページ最上部
ログサイズ:17 KB
有効レス数:29
削除レス数:0
不適切な書き込みやモラルに反する投稿を見つけた時は、書き込み右の マークをクリックしてサイト運営者までご連絡をお願いします。確認しだい削除いたします。
飛行機掲示板に戻る 全部
次100 最新50
スレッドタイトル:二重反転プロペラ
レス投稿