羽根数が増えたのは、エンジン出力の増大に対応したため。 
   プロペラの効率は、推力係数とパワー係数の比に進行率(迎え角のようなもの)を掛けたもの。 
 効率のピークは進行率2.4‾2.5といったところで、それ以上は先端が音速に近づき下がっていく。   
 推力はプロペラ直径の4乗に比例するし、パワー係数は分母に直径の5乗を含むので、直径は大きい方がいいんだけど、実際には、機体の大きさ、プロペラ剛性、先端速度の限界などから直径や回転数は制限される。 
 効率を上げる手段としては羽根幅(羽根の翼弦長)を増やしたりするんだけど、フェザリングに取れる角度や必要なトルクの関係でこれも制限がある。 
 なので仕方なくというかエンジンパワー吸収の必要に迫られて、羽根数を増やす。   
 できることなら、羽根数が少ない方が相互干渉による損失が少ないし、第一軽くすむので少ないに越したことは無い。 
 直径と羽根数、羽根幅を適正に設定し、その翼型の最大揚抗比の角度で回すのが設計者の腕だけど、それだけじゃなく多翅に対応した可変ピッチ機構が多数確保できるかとか他の部分を含めて考えなくちゃならない。 
 そのあたり、独は多翅化よりも羽根幅と翼型の設定を取ったんじゃないかな。 
 ちなみに、Ta152Hの木製ペラの羽根幅が大きいのは、強度を確保するため絶対厚を取りながら設計上の翼厚比にするため。   
 WWIIでは、2000馬力級が当たり前になってくるのに伴って4翅が多くなったね。 
 大戦中、英軍機で二重反転ペラってあったっけ? 50年頃のウェストランド・ワイバンくらいしか思い出せないや。
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